芭蕉の自己満part⑥ 『出航する瞬間の話』

皆さん、こんにちは。ピースボートの廣田純也です。(自己紹介記事はこちら)

 

少しずつ梅雨が近づいてきましたね… ジメっとした空気が嫌な時期になってきました。僕は毎朝、髪の毛のくせ毛と戦っています。

 

はい、そんな僕が今回記事にすることは”出航の瞬間”についてです。

僕はピースボートに関わって今年で5年になります。その中でも僕が一番好きなのが、船が出航する瞬間に立ち会う事なんです。

 

過去、自分が乗船したクルーズも含め12回の出航を見届けてきました。今回はそんな出航を初めて見た時のお話。

 

盛大で賑やかな出航

僕がボランティアスタッフを始めたのは2015年の夏頃。その時は第90回クルーズの人たちがセンターで毎日活動していました。第90回クルーズは冬の出航だったので、一緒に活動した期間は約3か月ぐらい。

以前、自己紹介記事でも書きましたが、当時の僕はそれはそれは警戒してピースボートセンターに行っていました。

岐阜の片田舎育ちの僕は、ピースボートセンターの雰囲気が想像もつかなかったので、とにかく「都会の人間にナメられてたら終わりだ」と気を張っていましたが、でもその警戒を解いてくれたのが90回クルーズのメンバーでした。

毎日はセンターに行きませんでしたが、思い返すと本当に毎日笑っていたと思います。そんな時、その時のスタッフからこんなお誘いがあります。

「芭蕉ちゃんさ、一緒に90回見送り行かない?」

見送り?横浜に?行っていいの?って思いましたが、「出航式もあるから絶対思い出になるよ!!」と言われ、イメージできないまま行ってみる事にしました。

横浜の大さん橋に停まってる船を見たときの衝撃はすごかったです。

「船でっか~!みんな今からこれに乗っていくのか! てかこの人達、今から地球一周に本当に行くんか! すっげ~!」ってなってました。小並感。

皆、船に乗り込んでしばらくすると出港セレモニーが始まります。

これぞ船旅!出発から盛大!!

船の中央部分はステージが設けられ船長の挨拶だったり乗船者のスピーチなど行っていますが、前方や後方デッキでは乗船者の人たちが出てきています。

そして少ししたら船側から港側に向かってテープを投げます!しかも大声を出せばギリギリ会話ができる距離なので仲良くなった子たちが「投げるよ~!」なんて言ってこっちに投げてくれますが、またこれが全然届かないんですよ。

港には見送りに来た人たちで凄い人数です。

みんなで出航式を楽しんでいると、ついにその瞬間が訪れます。

 

仲良くなった人たちの旅立ち

多分、僕は初めて見たあの景色を一生忘れないと思います。

ついさっきまで目の前で仲良く話してた人たちが、船に乗ってまさに今から地球一周に旅立つ… 思い出すだけで感動で鳥肌が立ちます。

船からはみんなで「いってきま~す!」と叫んで、それに返すように「いってらっしゃ~い!」と叫ぶ。その声がぶつかって動いてるのかって思うぐらいゆっく~り船と岸が遠くなっていく。

言葉にするのは難しいんですが、なんかめっちゃ込み上げてくるんですよ!

一緒に過ごした思い出とか、地球一周が夢だったと語ってくれた事とか、ポスター貼れなくて悩んだりしてた事とか、みんなとの色んな思い出が一気に思い出すんですよ。

その瞬間に”ボーッ!”と船の汽笛が港中を響かせます。

なんかすごくドラマチックなんですよ出航って。1度のクルーズで約1000人が乗船します。多分、簡単に地球一周に参加しようと決めた人は少ないはず。ほとんど人が悩んで調整して説得して苦労して、やっと始まる地球一周。

その瞬間の皆の表情はすごく素敵でした。泣いてる人も笑ってる人も乗せて、どんどん動くスピードが速くなっていく船。

気づけばみんなで船を追いかけて港の端っこまで来ていました。

船はどんどん離れていきますが声が届かなくなるまで「いってらっしゃ~い!!」と叫び。船が小さくなるまで港から眺めていました。

「次の夏は自分があっち側にいるのか…」と胸が高まったことを覚えています。

これが僕の初めての見送りの思い出。

あとがき

いかがでしたか?いや~思い出すだけで感動します。仲良くなった人の見送りは一生の思い出になる素敵な瞬間です。

僕はピースボートセンターふくおかに来て2年が過ぎました。

色んな人が地球一周を目指してピースボートの門を叩き、世界へと旅立って行きました。多分、数えたら100人以上いるんじゃないかな?本当に多くの人のサポートをして、色んなことを語ってきました。

最近では見送りの度に感動して泣いちゃうんですよね。なんか初めて来たときの事とか思い出しちゃって(笑)

これから乗船を考えている皆様。ぜひタイミングがあれば出航を見に行ってみて下さい。家族や友人、それともボランティアスタッフの仲間、なんなら見に行くだけでも面白いかもしれない。

ひょっとしたら港で泣いてグズグズの僕にも会えるかもしれません。もし見つけたら、そっとしておいてくださいね!

 

今回も長々、読んでいただきありがとうございます!

ではまた!

 

ピースボートセンターふくおか 廣田純也(芭蕉)